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ヘスチャートの読み方4:V字型

ヘス赤緑試験では図の①から⑨までの9点を結んでできる[田の四角]を記録します。

片眼性の麻痺性斜視の患者さんではこの[田の四角]が縮小している側が麻痺眼です。https://meisha.info/archives/4863

しかし図の左眼滑車神経麻痺では、上斜筋の下転作用が減弱するため左の[田の四角]が上方に偏位しているものの、大きさの左右差は目立ちません。
目立つのは左右の[田の四角]が上方に開いて傾くV字型のパターンです。
これは内方回旋させる上斜筋が働かないため、患眼が外方回旋することが原因です。

両眼性の滑車神経麻痺(追突事故などによる頭部外傷によることが多い)では、このV字型[田の四角]がさらに目立ちます。https://meisha.info/archives/4866

V字型を示す他の例

V字型のヘスチャートはsagging eye 症候群(SES)でもみられます(図左は左CVSタイプhttps://meisha.info/archives/5103のSES)。
これは下垂した左眼の外直筋プーリー(図右の青バンド)によって変化した外直筋の*印ベクトル(図右)が左眼を外方回旋させるためです。

V字型は甲状腺眼症でもみられます。
図は下直筋肥大による右眼の上転制限ですが、ヘスではV字型になっています。
これはおそらくは右の下直筋とともに肥厚拘縮した下斜筋による伸展制限で、内方回旋が制限されるためです。