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正常睫毛も含めた睫毛列切除術

睫毛乱生や睫毛重生に対して行う睫毛列切除術では、基本的には正常な本来の睫毛列は残して、異常な部分のみを眼瞼縁の皮膚面(grey line部)を含めてブロックとして(図のピンク部位)切除します。https://meisha.info/archives/4139

ただし状況により瞼縁皮膚は温存して瞼板前面の皮下の睫毛根部のみ切除する[睫毛根切除術]を行うこともあります。
加藤桂子: 睫毛乱生や睫毛内反症の「切る」治療、 臨床眼科 76:214-9.2022

正常睫毛も含めての切除

一方、眼瞼内反の要素が加わり本来の睫毛も角膜に接触するような場合では、まつげがなくなることを患者さんが容認すれば、下眼瞼牽引筋腱膜縫着術であるJones(変)法https://meisha.info/archives/2281などの眼瞼の向きを変える手術を省略して、正常睫毛列も含めて下眼瞼の睫毛をすべて切除することもあります。

症例:40歳男性

両下眼瞼の内反と睫毛乱生による痛みのため紹介元の病院で毎月睫毛抜去されていましたが、手術による根治を目的として大学病院を紹介されました。
発達障害で意思疎通が困難のため、全麻にて両眼のJones変法を予定しました。
手術中、瞼板が軟弱でJones変法が困難と判断されたため、両下眼瞼とも全睫毛列を切除する方針に変更しました(術前にその点は説明してありました)。
図は右下眼瞼睫毛列切除の術中写真です。
自分で睫毛を抜去していたため、図左と中央では2本の皮膚切開線の間に細い睫毛がわずかにみられるのみです。
図右ではこのブロックを切除後の瞼板前面が露出しています。

皮膚縫合は行いませんが、術後2週間の下図右では皮膚創は問題ありません。