マイボーム腺は上下の眼瞼後葉の瞼板内にある脂腺で、瞼縁に開口します。
霰粒腫はその排出が滞り腺管内に貯留した脂質をターゲットとして引き起こされる非感染性の慢性炎症です。https://meisha.info/archives/627

組織学的には脂肪滴とともにマクロファージ由来の類上皮細胞、巨細胞、リンパ球、形質細胞などがみられる肉芽腫性炎症です。
小幡博人: 霰粒腫の病理、 眼科 63:927-33.2021
治療の基本は原因となった脂質を含めた肉芽腫を排除する”incision and curettage”(切開と掻爬)すなわち霰粒腫摘出術https://meisha.info/archives/2315、ですが、慢性炎症を抑えるステロイドによる治療も有効な場合があります。
福岡詩麻: 霰粒腫の「切らない」治療、臨床眼科 76:144-8.2022

特に肉芽腫が瞼板前面から皮下に漏れ出たびまん型https://meisha.info/archives/627(図左)では、プレドニン眼軟膏などを発赤した皮膚に塗布する治療が有効です。
ただし、脂質が瞼板内に留まっている限局型(図右)ではあまり効果ありません。
小幡博人. 霰粒腫:保存療法•手術療法選択のロジック、眼科スゴ技・眼瞼手術、メディカ出版.44-8. 2021
一方、トリアムシノロン・アセトニド(ケナコルト)の局所注射は限局型であっても効果があるとされています。
この場合、霰粒腫周囲の皮下ではなく翻転した眼瞼結膜側から、ケナコルト0.05ml(2mg)程度を27Gの針で霰粒腫内部に注入する方法が提唱されています。
福岡詩麻: 霰粒腫、oculista 106:1-8.2022