眼科で行う視野検査の診療報酬点数には表の3種類があります。
これらの違いは何でしょうか?

D259の精密視野検査は見える範囲を二次元で調べる古典的な視野検査です。
対座法の視野検査(図左)では検者との比較によって見える範囲を定性的に評価しますが、これを角度による数値で定量的に評価するので精密と形容されます。
現在では使われないフェルスター視野計や平面視野計(図右: 鹿野信一改訂. 小眼科学第18版、p13、 金原出版. 1979)などが含まれます。

これに対して量的視野検査は二次元での視野の広がりに加えて、光覚感度など視野各部位での視覚の質の高低を測定して三次元表示する検査です。
ハンフリー視野計などでの閾値検査(静的量的視野検査)やイソプター表示によるゴールドマン視野検査(動的量的視野検査)https://meisha.info/archives/867が含まれます。
これらはいずれも視野をTraquairの[暗黒の海に囲まれた視野の島(Island of vision surrounded by a sea of blindness)]として捉える検査です。

このことは最近の下記、視野綜説にて以下のように記載されています。
視野の定義は古典的には[片眼で一点を見つめたときに見える範囲]とされている。(中略)
近年では視野を感度分布として捉える量的視野が普及し、現在では[視覚の感度分布]が視野の定義となった。(中略)視野はX軸Y軸方向に空間的広がり、Z軸方向に感度で表現することで、3次元の島のように表現することができる。
松本長太. 視野とは. 新篇眼科プラクティス13 視野フロンティア: 文光堂.2-9. 2024
静的自動視野計を使用しても、閾値検査(閾値は視野感度の逆数)ではないスクリーニング検査や単一輝度の指標で視認点数を評価する両眼開放エスターマンテストhttps://meisha.info/archives/2854は、三次元表示の量的視野ではないので、D259 精密視野検査で保険請求することになっています。
日本眼科医会の社会保険 Q&A検索https://www.gankaikai.or.jp/members/tebiki/index.html