高齢者に多くみられる退行性下眼瞼内反https://meisha.info/archives/2281の機序は表のごとくです。
豊野哲也, 野田実香:高齢者の内反症、あたらしい眼科 39:1311-6.2022

1. に対する手術として下眼瞼牽引筋腱膜縫着術(Jones法)が有名ですがそれほど簡単ではありません。
また同じ目的の簡便法として行われる埋没法(Snellen法)は再発の多さが問題点です。https://meisha.info/archives/2281
一方、近年林健吾によって報告されたwide everting suture(WES)は上記1-3のすべてを修復できて、しかも外来で施行可能な簡便な手術法です。
林憲吾: 加齢性下眼瞼内反症に対する埋没法、日本の眼科 93:1552-6.2022
図は右下眼瞼のsurgeon’s viewによる手術模式図です。
図左:瞼縁から3mmの位置の皮膚に作成した4か所の皮膚切開の外側部から4-0ナイロン糸の片端針を刺入し、円蓋部近くの結膜から出した後、結膜下を内側まで進めます。
図中央:次に内側の皮膚切開創から針を出した後、皮下をくぐらせて最初の刺入部位に出します。
図右:最後に結膜下と皮下を通ってきた糸を適度に締めて結び、ノットを皮下に埋没します。

図上段は両眼の退行性下眼瞼内反の術前、中段は右眼のWES術後、下段は左眼術後の写真です。
時間は1眼瞼につき15分程度でした。
