白内障に対する超音波乳化吸引 / 眼内レンズ挿入術(PEA/IOL)https://meisha.info/archives/761を安全に行うには十分な散瞳が重要で、サンドールPとネオシネジン(図中央)の5分間隔での点眼を3セット繰り返す術前[散瞳コース]が行われます。
このうちネオシネジンは交感神経α受容体を刺激するノルアドレナリンと類似構造(図左)のフェニレフリン5%の点眼薬で瞳孔散大筋(図右)を収縮して散瞳します。
またサンドールPは0.5%のフェニレフリンと瞳孔括約筋(図右)を弛緩させて散瞳するトロピカミドとの合剤です。
ネオシネジンの点眼は眼瞼皮膚に接触性皮膚炎を生じることが皮膚科医の間ではよく知られていて、サンドールPにも含まれるフェニレフリンはミドリンP(サンドールPと同成分)アレルギーhttps://meisha.info/archives/3365の原因アレルゲンとされています。

ブログ筆者にはすでにミドリンPアレルギーの経験があり、その際、点眼翌日からの結膜充血と異物感に悩まされました。
しかし0.1%フルメトロン点眼(結膜など前眼部用ステロイド)を発症後ただちに開始したところ、1-2日で異物感は消失しました。
さてその後、左眼の白内障に対して筆者が受けた日帰りPEA/IOL手術の際、ミドリンPアレルギーを承知で通常の術前[散瞳コース]を受けました。
その理由は不十分な散瞳でPEA/IOL手術のリスクが増大するよりも、フルメトロン点眼で対応できる術後のアレルギー症状を受容する考え方でした。
手術当日、術眼の左眼にサンドールPとネオシネジンをそれぞれ3回点眼しましたが、誤って右眼にも1回サンドールPを点眼してしまいました。
予想通り、術後両眼の充血と異物感がありましたが、サンドールPを1回だけ点眼した右眼よりも術眼の左眼では症状がはるかに強く、眼脂も目立ちました。(図は術翌日の夜撮影)

以前の経験から、指示された左眼の術後点眼に加えて両眼にフルメトロンを点眼しました。
その結果右眼の充血と異物感は2日後にはおさまりましたが、術眼の左眼の症状は激烈で、眼脂による涙液膜の障害のためか見え方も術後3日までぼやけていました。
0.5%のフェニレフリンを含むサンドールPの1回点眼でのアレルギーに比べ、5%のフェニレフリンを含むネオシネジンも加えて3回点眼して生じるアレルギーははるかに強いことを実感しました。
しかしそれでも数日の点眼で収まることがわかり、次回の右眼の手術でも同様の術前[散瞳コース]を受けようと思っています。