眼精疲労の原因はさまざまで、ひとつは近視の過矯正メガネによる毛様体筋の疲労でした。
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もうひとつの原因は持続する収縮で内直筋が疲労する外斜位と間欠性外斜視です。
外斜位で図左のように片目をすりガラスで隠すと、その目が外にずれていることが、黒目の内側に写る角膜反射の白点でわかります。
この状態で両目の内直筋と外直筋はリラックスしています。
ところが図右のように遮閉すりガラスをはずすと、カメラを両目で見ようとして、輻湊によって左右の視線が目標に向き、角膜反射は両目とも黒目の中央にできます。
このとき両目の内直筋が収縮します。
普段は両目を開いているので、外斜位の目の内直筋は収縮し続け、その疲労の蓄積で目が重く痛く疲れる眼精疲労を生じます。
角度の小さいものも含めると外斜位は3人にひとりくらいの割合です。
その全員が眼精疲労を訴えるわけではなく、症状を訴えるのは角度の大きい外斜位の場合です。
一方、患者さんによっては両目の視線が目標に向かう外斜位と、片目が外にはずれる外斜視が、混在してみられることがあり、間欠性外斜視と呼ばれます。
はずれるのは眠くなったり考え事をしたりしているときです。
遮閉除去試験(アンカバーテスト)https://meisha.info/archives/478を行うと外斜位の状態では隠れていた目が瞬時に内に向かって動きますが、外斜視の状態ではしばらくしてから内に動いたり、はずれたままでいたりします。
図の×は目が動かないことを意味しています。
間欠性外斜視の患者さんで外斜位を維持している状態では、やはり内直筋の持続収縮の疲れで眼精疲労を訴えます。
大角度の外斜位や間欠性外斜視による眼精疲労の治療にはプリズムメガネや手術https://meisha.info/archives/545があります。