頭位性斜頭 (DP: deformational plagiocephaly)は寝つきの癖や向き癖によって、片側の後頭部が平坦化する頭蓋骨の変形で、生後4カ月くらいまでの乳児にみられます。
頭蓋変形に伴う顔面の異常で眼科を最初に受診することもあります。
発育の異常はありませんが、Y大学病院小児科での1カ月健診で左の開瞼が不良であることを指摘され、精査目的に同院眼科を紹介されました。
左の瞼裂高(上眼瞼下縁と下眼瞼上縁の間の距離)が右に比べて小さいものの(図左)、MRD(margin reflex distance)https://meisha.info/archives/672は問題なく、眼瞼下垂ではないことを説明して経過観察となりました。

生後4カ月になっていて固視は良好で散瞳しての眼底検査でも異常はみられませんでした。
しかし瞼裂高の左右差に加えて、眉毛部も含めた眼周囲の左右非対称が持続していました。(図右)
そこで頭蓋骨や眼窩の異常の可能性についてCT/MRIなどの画像検査について提案したところ、家族から[生後3か月で新型コロナ感染した際に入院したB病院小児科で頭蓋骨の非対称を指摘され、依頼があれば画像検査をしてくれるといわれた]との情報を得ました。
そこでB病院宛てに紹介状を書いて精査を依頼しました。
報告書:[眼瞼の左右差で受診されましたが、頭蓋骨の計測で頭位性斜頭:Argenta分類typeⅣ https://www.ych.pref.yamanashi.jp/department01/16211/と診断し、前額の前方突出による眼瞼の左右差と診断されました。除圧指導を行った結果、1カ月後には頭蓋計測値は明らかに改善、瞼裂の左右差も改善がみられました。]
赤ちゃんの頭の形が歪む斜頭の原因としては頭位性斜頭とCrouzon症候群やApert症候群のような頭蓋縫合早期癒合症があります。
栗原淳: 頭蓋変形・頭蓋縫合早期癒合症, 小児内科 51:1553-7.2019
このうち前者の治療としては、①向き癖を直す、②マットレスなどによる平坦部の除圧、③形状誘導ヘルメットなどによる頭蓋形状誘導などがあります。
金子剛, 師田信人: 頭蓋変形の低侵襲治療. 医学のあゆみ 240:639-46.2012