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タリビット眼軟膏による鼻涙管閉塞?

87歳の女性Aさんは2カ月前から続く右の流涙症を主訴にB病院で筆者、眼科医Cを受診しました。
Aさんは3か月前と2カ月前の2回、両眼の充血と眼脂を主訴に同じB病院の別の眼科医Dの診察を受けていて、抗菌薬点眼、ヒアルロン酸点眼、タリビット眼軟膏を処方されていました。

涙管通水検査、涙道洗浄

診察すると右の涙液メニスカスhttps://meisha.info/archives/614, https://meisha.info/archives/2605が高かったので涙管通水検査https://meisha.info/archives/2614を行いました。
23Gバンガータ針(下図)を右の下涙点から涙嚢まで進めて加圧すると、少し抵抗がありましたが、鼻咽頭に生食が流れました。

翌週の受診では流涙は解消していて、たいへん喜んでいました。

流涙症の原因

原因に関して過去3か月間使用していたタリビット眼軟膏の使用法について尋ねたところ、前医Dの指示は[赤くなるところに薄く塗布するよう]とされていましたが、Aさんは毎日2回休むことなく、右の内眼角の眼瞼縁から結膜嚢内に点入していたとのことです。
塗布され続けた眼軟膏が涙点→涙小管→涙嚢と流れて鼻涙管をゆるく閉塞していたのではないか、それが涙洗で洗い流されて症状が解消したのではないかと想像されました。

ムコスタによる流涙

ドライアイ治療薬であるレバミピド懸濁点眼液、ムコスタUD2%の添付文書には、重大な副作用として涙道閉塞(0.1~5%未満)、涙嚢炎(頻度不明)が記載されていて[涙道内に白色物質が認められることがある]と記述されています。
点眼液中の粒子が固まって鼻涙管など涙道を閉塞することが原因のようです。
タリビット眼軟膏の添付文書には流涙症の副作用は記載ありませんが、長期に使用し続けると涙道通過障害を生じるのではないかと思われました。