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涙 目(なみだめ):流涙症

涙に関係する目の症状には[渇き目]と[涙目]があります。
渇き目はドライアイとも呼ばれ、目の表面を潤す涙の作用が低下して目の不快感が増します。
ドライアイには涙腺から分泌される涙の絶対量が不足する涙液減少型だけでなく、ムチンの減少による水濡れ低下型や涙液油層が減少する蒸発亢進型があります。https://meisha.info/archives/620
島崎潤他: ドライアイ診療ガイドライン ドライアイ診療ガイドラインの読み方. 日本眼科学会雑誌 123: 489-592, 2019.

涙目(流涙症)

一方、流涙症とも呼ばれる涙目では、上下のまぶたの間の隙間(瞼裂)に過剰に溜まった涙がまぶた表面に溢れ出て皮膚を濡らします。
悲しい時、あるいはそのような映像を見ると一時的に涙目になりますが、流涙症ではその状態が持続します。

涙の分泌と排出の仕組み

涙は主に上まぶた外側部の主涙腺から結膜嚢内に分泌されて、粘膜である眼表面(角膜と結膜)を潤し、下まぶたの縁と角結膜表面の境にできる涙液メニスカスを伝って、上下の涙点から涙道を経て鼻腔に排出されます。
流涙症はこの涙の分泌と排出のバランスが崩れた[分泌>>排出]の状態で発症します。
図左は皮膚に隠れて見えない主涙腺、結膜嚢、涙道、鼻腔の範囲を示しています。
図右フルオレセインhttps://meisha.info/archives/283で涙を染色して青色光で撮影した際の涙液メニスカスと角膜表面の涙液膜を示します。

分泌性流涙と導涙性流涙

睫毛乱生https://meisha.info/archives/1148角膜上皮びらんhttps://meisha.info/archives/608などで眼表面が刺激され、その結果、涙腺から涙が過剰に分泌されると、分泌性流涙lacrimationを生じます。
一方、涙の分泌は正常なのに、結膜弛緩症https://meisha.info/archives/2583で涙液メニスカスが占拠されたり、鼻涙管閉塞で鼻への涙の排出が障害されたりするのは導涙性流涙epiphoraと呼ばれます。
大江雅子: 流涙症の診断 【涙器涙道手術の最近の動向】. 臨床眼科 72: 1508-1516, 2018.
流涙症の診療では、分泌性、導涙性のいずれであるかを確認することが重要です。