斜位近視は間欠性外斜視の患者さんが両眼視する際に、近視が増強して遠くのものがぼやけてみえる現象です。https://meisha.info/archives/5172
斜位近視と同様に[調節と輻湊の連動]が関係する調節性内斜視https://meisha.info/archives/5142の発症年齢は1.5-4歳ですが、斜位近視の受診年齢は16-39歳と報告されていて、乳幼児や学童の受診は通常ありません。
内海隆: 斜位近視の病態と治療. 眼科臨床医報 97:222-4.2003
青年期になって輻湊機能が低下することが関係しているのではないかと考えられています。
両眼視で近視の度数がアップして遠見矯正視力が低下する斜位近視は、カルテ上で図のように記載されます。
Aでは片眼矯正視力の結果とその矯正度数で両眼視した視力:BVを記載しています。
Bでは(おそらく低矯正の)所持メガネでの片眼視力と両眼視力を記載しています。
両眼視での遠見視力が低下していることから、近視度数がアップしていることが推測できますが、近視度数がどの程度アップしたのかは不明です。
そこでCのように両眼視力を最高にするため両眼に付加した最小のマイナスレンズ度数を記載すれば近視化の程度(近視化度数)が把握できます。
佐藤司, 他: 北里大学病院における斜位近視の手術成績. 眼科臨床紀要 8:399-402.2015
上記、内海の綜説では近視化度数は-2.00D~ -6.50Dの 範囲とされています。
また上記、佐藤司, 他の論文の対象16例では-0.25から-7.0Dでした。