• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

眼瞼下垂の程度

眼瞼下垂による障害

眼瞼下垂では目をあけようとしても、上まぶたが上がりません
自動車の運転時にカーサンバイザーを降ろすと、図のように視界上方が塞がれますが、常時そのような見え方になります。
そのため信号を見落として事故を起こす危険性があります。
また何かが上から覆いかぶさっているように感じられて精神的に重苦しく、気分が晴れません。
重度の場合、赤ちゃんでは視力が発達しない弱視の原因にもなります。
https://meisha.info/archives/515

額のしわと顎上げ姿勢

図のように顎を上げて(チンアップ)頭を後ろにそらせがちになるので姿勢が悪くなります。
また額にしわが寄り、眠そうな表情になり、外見的にも問題です。

MRD:眼瞼下垂の程度の評価

眼瞼下垂の原因はさまざまでその一部は手術で治療できますが、その際、眼瞼下垂の程度をMRD(margin reflex distance)で評価します。
MRD(正確にはMRD1)は上まぶたの下縁と角膜中央(角膜反射の位置)との間の距離です。
正常では3ミリ以上あります(正常値に関しては諸説あり、若年者で2.5から3.5ミリ以上です)。


図の瞳孔中央の白点はフラッシュを光らせて撮影した写真の反射を示します。
MRD1は普通に目を開いた状態で、図のAミリ単位で測定します(右のメジャーの目盛りからこの図では2ミリです)。
これが見えない、すなわち瞳孔が隠れる状態では、MRDはマイナスです。
ちなみに図のA+Bでは眼瞼下垂がなくても、下まぶたが下がると大きくなるので眼瞼下垂が過少評価されてしまいます。
Bは角膜中央と下まぶたの間の距離でMRD2と呼ばれます。