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カタル性角膜潰瘍の特徴と治療戦略

カタル性角膜潰瘍は眼瞼縁に常在する黄色ブドウ球菌の菌体毒素による非感染性の炎症(細菌アレルギー)です。https://meisha.info/archives/714

その特徴は
1. 角膜輪部との間に透明帯を有する角膜周辺部病巣
2. 眼瞼縁と周辺角膜が接する2, 4, 8, 10時に多い(右図)
3. 前房内炎症を欠くことが多い

多くのケースでは最初、細菌性角膜潰瘍と判断して抗菌点眼薬を使いますが、その効果がないことから本症を疑ってステロイド点眼薬を開始します。https://meisha.info/archives/649
しかし上記の特徴を満たすケースをカタル性角膜潰瘍と見切って最初からステロイド点眼を開始することには勇気がいります。

症例:61歳男性

2-3週間前に両眼の眼脂があり他院でアレルギーの点眼薬を処方されたもののよくならず、ここ数日特に左眼の異物感が増強したとして筆者が週1回診療するA病院眼科を受診しました。
左眼角膜周辺8時部位に楕円形の角膜潰瘍(図左と中央)がみられましたが、前房内に炎症はありません。
カタル性角膜潰瘍だろうと思いましたが、いきなりステロイドを使用して万が一細菌性だった場合には後悔すると考えました。
そこで1週間後の次回受診までの7日間のうち最初の4日間はクラビット点眼4回とし、その後の3日間はそれに加えてフルメトロン0.1%の4回点眼を追加するよう指示しました。

1週間後の再診時には見事に潰瘍は消失し(図右)、自覚的にも異物感は消失していました。