• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

プリズムメガネ

レンズとプリズム

遠視のメガネに使われるのは凸レンズで平行光線を収束させます。
近視のメガネでは凹レンズで平行光線を発散させます。
いずれもピントが網膜上に合うのを助けます。
一方、断面が三角形のプリズムには収束、発散作用はありませんが、三角形の底辺(基底)側に光の向きを変えることができ、斜視の診断や治療の補助に使用されます。

斜視でのプリズム利用

内斜視の目の前に基底が外側になるプリズムを置くと、両目の視線が目標に向くようになります。
基底を内側にすれば外斜視、下方あるいは上方にすれば上下の斜視で両目の視線の向きを揃えることができます。

プリズムメガネとフレネル膜プリズム

6度(プリズムの単位で10.5△)程度以下の小さい角度の斜視であれば、左右のメガネレンズにプリズムを振り分けることで斜視を矯正できます。
しかしそれより大きい角度を矯正しようとすると、基底部が分厚くなってメガネとしては掛けられません。
そのような場合プリズムを細かく分割して膜に張り付けたフレネル膜プリズムを既存のメガネの表面に張り付けて使用することがあります。