白目の扁平あるいは低いドーム状のできもので、小児期に気付かれるものの多くは結膜母斑です。
多くは眼球結膜に見られますが、眼瞼結膜や涙丘部に見られることもあります。
母斑というと黒いほくろをイメージしますが、色素沈着の程度はさまざまで、無色素のものから褐色さらには濃い黒褐色までさまざまです。
細隙灯顕微鏡で観察すると、結膜母斑の多くで大小の嚢胞(図の点線矢印)が多数みられます。
前眼部OCTでは無反射の空洞像として観察され、腫瘤の深部に向かうにつれて大型化します。
嚢胞の存在は悪性腫瘍である結膜メラノーマとの鑑別に重要です。
加瀬諭: 結膜母斑. In: 後藤浩 & 小幡博人 (Eds): 眼病理アトラス(眼疾患アトラスシリーズ4). 総合医学社, 76-77, 2020.
皮膚にできるメラノサイト系の母斑は、母斑細胞性母斑と真皮メラノサイト系母斑に分類されます。
母斑細胞(nevus cell)はメラノサイトあるいはシュワン細胞のいずれにも分化できなかった発生時の神経堤(neural crest)由来の未熟な細胞を指します。
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母斑細胞性母斑はこの母斑細胞が異常増殖した結果と考えられます。