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固視点近傍の視野障害を示す強度近視の緑内障

強度近視に伴う緑内障では視神経乳頭の変形のために診断が容易ではありません。
また固視点近傍の視野障害がみられやすく、通常の24-2視野で異常が確認できないことがあります。
そのような目では10-2視野を測定すること、垂直方向のOCTにて神経線維層(NFL)の上下の非対称や局所性の菲薄化に注目することが診断上重要です。

文献

板谷正紀 (2019). “強度近視眼の緑内障評価.” 眼科 61(1): 21-31.
Kimura, Y., et al. (2012). “Retinal nerve fiber layer defects in highly myopic eyes with early glaucoma.” Invest Ophthalmol Vis Sci 53(10): 6472-6478.

症例

60歳の男性Aさんは4年前に飛蚊症で近医を受診してその際には両眼の矯正視力は1.0でした。
3カ月くらい前から右目でみると視野の中心に砂がかかったような線が見えてみづらいとの主訴で同じ眼科医院を受診しました。
右眼の矯正視力は0.4と低下し、眼圧は20/18mmHgでした。
右の視神経乳頭陥凹がみられたので、24-2視野を施行されましたが、軽度の異常のみでした。
原因不明の視力低下として大学を紹介されました。

大学病院初診時の視力は
RV=0.02(0.6 X -9D cyl -1.25D Ax 170)
LV= 0.04(1.2 X -9D cyl -0.5D Ax 10)
眼圧は20/17mmHg
右の視神経乳頭は陥凹拡大していました。

右眼のOCTの垂直スキャンでみると、中心窩のすぐ下の神経線維層(NFL)が局所性に菲薄化していて、上方にも限局性の菲薄化がみられました。

10-2の視野検査では固視点に接する耳側上方1.4度のポイントの感度が11dBと高度に低下し、中心窩閾値も25dBと低下していました(前医での視野検査では中心窩閾値測定をオフにしていて不明でした)。
強度近視に伴う正常眼圧緑内障NTGとして点眼加療を開始しました。