中心性漿液性脈絡網膜症 CSC https://meisha.info/archives/1931の一般的な治療法はレーザー光凝固です。
フルオレセイン蛍光眼底造影検査FAで確認できる蛍光漏出点を狙って、淡い灰白色の凝固斑が出る程度の弱いレーザー光凝固を行います。
上段左の眼底写真では中心窩から上方に漿液性網膜剥離SRD(白矢印)が見られます。
FAを行うと上段中央に示すように、中心窩の上方にインクブロット様の漏出点が確認できます。
下段左はFAの3週間後に施行したレーザー光凝固直後の写真で、黒矢印で示す淡い白色が凝固部位です。
スポットサイズは300µm、0.3W程度で淡い白濁が生じた時点でフットペダルを離します。
レーザー光凝固の5週間後の下段中央のカラー眼底とその右のOCTでは網膜下液がほぼ吸収されています。
黒矢印で示される凝固部の瘢痕はほとんど確認できない程度です。
治療ではFAの蛍光漏出部位を間違いなく凝固することが重要です。
レーザー用のコンタクトレンズでは倒像の眼底を観察するので、図のような倒像の写真をPPTで作成して、これをレーザー凝固機の横のディスプレイに映して確認しながら凝固します。
凝固後には再度写真を撮影してFAの蛍光漏出部がカバーされていることを確認します。
レーザー凝固された部位の網膜色素上皮RPE細胞は脱落します。
その後、周囲のRPE細胞が分裂増殖して凝固部位をカバーすると脈絡膜から網膜下への漿液の漏出がストップします。
貯留していた網膜下液はRPE細胞のポンプ機能で脈絡膜側に排出されるために、網膜下液SRDは消失して治癒に向かいます。