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中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィ:CACD

中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィ central areolar choroidal dystrophy: CACDは両眼の黄斑部に境界鮮明な円形の萎縮病巣を生じる黄斑ジストロフィです。https://meisha.info/archives/3571
遺伝的異質性がみられますが、PRPH2 (peripherin/RDS)遺伝子変異による常染色体優性(顕性)遺伝の例が多く報告されています。

病期

CACDは30-50歳の壮年期に発症し、進行に応じて4期に分類されます。
Hoyng CB, Deutman AF: The development of central areolar choroidal dystrophy. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 234:87-93.1996
Ⅰ期. 傍中心窩の軽度の脱色素
Ⅱ期. 中心窩を含む円形脱色素
Ⅲ期. 中心窩を含まない萎縮巣
Ⅳ期. 中心窩を含む境界明瞭な萎縮巣
Boon CJ et al.: Central areolar choroidal dystrophy. Ophthalmology 116:771-82, 82 e1.2009
黄斑ジストロフィの診断ガイドライン. 日本眼科学会雑誌 123:424-42.2019
Ⅰ、Ⅱ期の脱色素は網膜色素上皮RPEにみられる変化ですが、Ⅲ、Ⅳ期の萎縮巣ではRPEに加えて脈絡膜毛細血管板choriocapillaris: CCが脱落消失します。
脱色素と萎縮巣はカラー眼底写真、フルオレセイン蛍光眼底造影写真FA、眼底自発蛍光FAF、OCTで表のように区別されます。

症例:57歳女性

図は左右の目で進行に差がみられたケースで、右目は2期、左目は3期のCACDのカラー眼底写真、眼底自発蛍光FAFの写真です。左目の眼底写真での点線方向のOCT像が右に示してあります。
カラー眼底の脱色素部分は、OCT像でRPEのラインの菲薄化と視細胞を表すEZと外顆粒層の欠如がみられます。
FAFでは無蛍光のため真っ黒な萎縮巣では、RPEラインが欠如してブルッフ膜のみの細いラインに置き換わり、脈絡膜毛細血管板CCも消失しています。