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再発虹彩捕獲に対する白内障術後保護眼帯

水晶体脱臼や眼内レンズ(IOL)脱臼に対しては、IOLの毛様溝縫着術または強膜内固定術が行われます。
虹彩捕獲iris captureは後房に固定されたIOLの光学部の一部が瞳孔から前房内に脱出して虹彩面上に顔を出す術後の合併症です。
通常、散瞳すれば整復できますが、繰り返す再発防止目的で、虹彩縫縮術ブロック縫合(糸張り法)などの術式が報告されています。
林研: 再発眼内レンズ捕獲に対する虹彩縫縮術 あたらしい眼科 38:801-2.2021
山根真, 他: Marfan症候群の水晶体脱臼に対する水晶体再建術後に虹彩捕獲を繰り返した症例. 眼科手術 33:425-9.2020

症例:55歳男性

以前に紹介した右眼のIOL毛様溝縫着https://meisha.info/archives/3721では、術後4カ月の間に3回虹彩捕獲を生じました。
一般的な予防法である周辺虹彩切除は施行してあり、ピロカルピン点眼も使用していました。
このケースでは、虹彩捕獲の機械的刺激による嚢胞様黄斑浮腫で視力が低下し、IOLを整復しても視力回復に数週間かかりました。
本人が夜間に目をこすっているとの情報は、3回目の再発時に家族から得ました。
就寝中にまぶたの上から図のように指で眼球を圧迫した結果、IOLの光学部が傾斜して虹彩捕獲を生じたのではないかと想像されました。

そこで白内障の術後に使用する透明保護眼帯を就寝時に使用することを提案しました。
テープでしっかり固定してもかぶれず、続けることができていて、現在のところ再発なく過ごせています。