白内障手術を計画する際に術後の屈折をどのように設定するかは重要で、患者さんの生活スタイルを考慮して適切なアドバイスをすべきでしょう。
術者によって考え方はさまざまでしょうが、私は表のように年齢と屈折による目標屈折を勧めます。
近視以外のヒトは若い頃、遠くの景色が裸眼ではっきり見えていたため、術後もメガネなしで遠見が明視できる正視ねらいがよいでしょう。
ただし手元を見るには近用メガネ(老眼鏡)が必要なことを説明しておく必要があります。
メガネを掛け慣れている近視のひとは老視年齢になるとメガネをはずしての近業に慣れています。
そこでpcやスマホ画面の文字を裸眼で読むことができる-1.0~-3.0D程度の近視を目標にします。
運転など遠見時にメガネをかけてもらうことには抵抗はありません。
遠見近見ともに小さい文字を読むことは少ないので、-0.5D-1.0D程度の最軽度近視にしておけばほとんどの日常生活をメガネなしで過ごせます。
もともと両眼視をしていないヒトが多いので術後に0Dと-3Dの不同視を残せば、モノビジョンで遠くも近くもメガネなしで見れます。https://meisha.info/archives/188