老人環

高齢者の角膜周辺にみられる灰白色または黄色調のリング状混濁は老人環 arcus senilis corneaと呼ばれます。

角膜環 corneal arcusの一種で、白色の強膜との間に透明帯 lucid interval of Vogtが観察されるのが特徴です。
組織学的には角膜実質への脂質の沈着で、初期には角膜下方、次いで上方に出現して、さらに進行すると輪状になるとされています。
小幡博人, 征矢耕一: 角膜の加齢変化. 眼科 47:1031-9.2005

脂質異常症との関連

眼瞼黄色腫https://meisha.info/archives/4635とともに脂質異常症 dyslipoproteinemiaとの関連が示唆されるので、著明な場合はコレステロール、中性脂肪などの血液検査を行ってみる必要があります。
岩本俊彦: 老人環、眼瞼黄色腫と脂質異常症Geriatric Medicine 47:524-5.2009