中心窩に小さな赤色病変を生じ、軽度の視力低下やわずかの中心暗点、変視症をきたす病態はmacular microholeと呼ばれ、OCTではEZを含む網膜外層の断裂として示されます。
Ooto S et al.: High-resolution imaging of photoreceptors in macular microholes. Invest Ophthalmol Vis Sci 55:5932-43.2014
右眼の中心視野に黄色いしみがあり、文字がゆがむことに1カ月前から気づいていたAさんは、近医眼科を受診して黄斑円孔の疑いで大学病院を紹介されました。
軽度の遠視性乱視で矯正視力は0.6/1.2でした。
右眼の中心窩に小さな赤点がみられ(図左矢印)、水平断面のOCT(図右)ではEZが中心窩で途切れ(赤矢印)、その上方の外顆粒層内には高反射の垂直線条(黒矢印)がみられました。
VFS (vitreofoveal separation)で剥離した後部硝子体膜上は、蓋operculum(黄矢印)様の高反射物が付着していました。

特発性黄斑円孔でまれにみられる自然治癒過程で、閉鎖しつつある状態ではないかと考えて経過観察しました。
8カ月後、PVD: posterior vitreous detachment(後部硝子体剥離)が完成し、網膜外層の裂隙はふさがってOCT像は正常化しましたが、右眼矯正視力は0.6のままで症状も不変でした。
macular microholeの形成機序は不明です。
PVDやVFSなど硝子体牽引を伴うケースでは中心窩の錐体視細胞に及ぶ牽引によるという考え方や、全層黄斑円孔の修復過程をみているとする意見があります。
一方硝子体牽引のみられないmacular microholeも報告されていて、鈍的外傷やAZOOR https://meisha.info/archives/3548のような炎症によって生じた可能性も想定されています。