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まぶたの良性腫瘍と悪性腫瘍

まぶたのできものをみた場合、良性腫瘍悪性腫瘍(癌)の判断が重要です。

まぶたの悪性腫瘍

悪性腫瘍では脂腺癌基底細胞癌が主なものです。
一般的には脂腺癌は黄色くhttps://meisha.info/archives/691、基底細胞癌は黒っぽく見えます。

まぶたの良性腫瘍

一方、良性腫瘍の代表は眼瞼母斑脂漏性角化症(通常[セボケラ]seborrheic keratosis)です。
眼瞼母斑の多くは真皮に発生して皮膚表層を押し上げるため表皮が伸展され、て表面はてかてかしています。
一方、脂漏性角化症では真皮の上の表皮を構成する基底細胞層、有棘細胞層、顆粒細胞層、角質層の全層が増殖します。
表皮全体のボリュームが増えるために腫瘍表面はしわしわです。

悪性腫瘍の特徴

良性腫瘍でも悪性でも通常痛みはありません。
2-3カ月ごとの写真撮影でわかるほどの速い成長であれば、悪性の可能性が高いです。
また悪性腫瘍では腫瘍細胞が毛根を破壊するためにまつ毛が抜けますが、良性腫瘍では表面から、周囲と同様にまつ毛が生えます。
https://meisha.info/archives/691
さらに基底細胞癌では中央が陥没する潰瘍になったり出血したりすることも悪性を疑う根拠になります。

良性腫瘍に対するオープントリートメント

睫毛の脱落や潰瘍形成のない昔からのできもので、悪性の可能性が低いと判断されて患者さんが切除を希望する場合には、盛り上がった根元部分をメスでそぎ切るopen treatmentがよく行われます。
そぎ切ったあとは縫合はせずにそのまま露出させて軟膏を塗っておけば上皮が覆ってきれいに治ります。