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肉芽腫性 VS 非肉芽腫性ぶどう膜炎

ぶどう膜炎の分類

ぶどう膜炎の分類法のひとつに[肉芽腫性VS非肉芽腫性]があります。https://meisha.info/archives/4717
両者の違いは感染性ぶどう膜炎での病態を考えると理解しやすいです。

偏性細胞内寄生体と肉芽腫性ぶどう膜炎

感染性ぶどう膜炎の原因となる病原微生物のうち、ウィルス、一部の細菌(結核菌、梅毒トレポネーマ)、原虫(トキソプラズマ)などは偏性細胞内寄生体と呼ばれ、ヒトなど他の生物の細胞内で増殖しますが病原体単独では増殖できません。
ぶどう膜炎の原因が偏性細胞内寄生体の場合、病原体自身ではなく、感染したヒト細胞を死滅破壊させる必要があります。
その主体はリンパ球で、抗原提示を受けるマクロファージ(その変化したものが類上皮細胞)とともに肉芽腫という塊を形成します。
代表的な肉芽腫病変として豚脂様角膜裏面沈着物 KPs: keratic precipitatesや虹彩/隅角の結節、雪玉様硝子体混濁などがあります。

非肉芽腫性ぶどう膜炎

これに対してヒト細胞外で自律的に増殖できるブドウ球菌や連鎖球菌など多くの細菌や真菌による(感染性)眼内炎では好中球が主役です。
好中球は肉芽腫のような塊は形成せずに、ばらけて個々に病原体を貪食します。
園田康平 他:ぶどう膜炎の診療概論、眼科臨床エキスパート:所見から考えるぶどう膜炎第2版: 医学書院. 2022
眼内炎の代表的な病変である前房蓄膿では好中球が前房内に拡散しますが、互いに接着はしないため重力によって下方に沈殿して水平面を形成します。https://meisha.info/archives/1009

VKH:Vogt-Koyanagi-Harada病(原田病)
AAU: Acute anterior uveitis 急性前部ぶどう膜炎

非感染性ぶどう膜炎

肉芽腫形成の有無による分類は非感染性ぶどう膜炎にも通用します。
肉芽腫性ぶどう膜炎の代表はサルコイドーシスで非肉芽腫性ぶどう膜炎の代表はベーチェット病です。
いずれも原因は不明ですが、炎症の主役が前者ではマクロファージとリンパ球、後者では好中球である点は感染性ぶどう膜炎と同様です。