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レーザー虹彩切開術

急性緑内障発作は遠視眼で浅前房の中高年の女性に多く、突然に片目が見えなくなり、同時に激しい目の痛みと頭痛、嘔吐に襲われます。https://meisha.info/archives/826
周辺虹彩が角膜裏面に押し付けられて線維柱帯を塞ぐ隅角閉塞によって、前房隅角からの房水の排出がストップするためです。
主な機序として相対的瞳孔ブロックプラトー虹彩があります。https://meisha.info/archives/837

相対的瞳孔ブロックとその予防治療

相対的瞳孔ブロックによる隅角閉塞は後房から前房への房水の通過が障害され、前房圧<<後房圧となる結果、虹彩が前方に移動して生じます。
その治療や予防には、虹彩に穴を開けて前房圧=後房圧とすることが有効です。

レーザー虹彩切開術

昔は手術室で角膜と強膜の境界を切開し、虹彩を引き出して切除する周辺虹彩切除術 (PI: peripheral iridectomy)が行われましたが、現在はレーザー光で虹彩表面を繰り返し凝固して虹彩に穴を開けるレーザー虹彩切開術 (LI: Laser iridotomy)が行われます。

ただし台形状の虹彩が周辺に移動して隅角閉塞を生じるプラトー虹彩の目ではレーザー虹彩切開術は効きません。
虹彩の形状を変化させる隅角形成術などが必要になります。