• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

ヒトの白目

白目と視線

多くの動物では白目は外から見えないのでどこを見ているのかよくわかりません。
一方、ヒトでは白目が広く見えるため視線の向きがよくわかります。
このことは集団社会の中での良好なコミュニケーションに役立つと考えられています。https://www.menicon.co.jp/whats/column/detail27.html

黒目と白目の構造

ヒトでは上下のまぶたに挟まれた中央に黒目がありその両脇に白目が見えます。
黒目は透明な角膜を通して眼球内部が暗く見えるためで、日本人では茶色の虹彩とその中央の穴である瞳孔が区別できます。
白目が白いのは角膜周囲の強膜が白いためで、これが半透明の結膜を通して白く見えています。
透明な角膜と白い強膜は眼球というボールの壁を構成しています。

動物の白目

動物の目にもヒトの目ほどは白くありませんが白目はあります。
ただしふだんは皮膚に隠れていて人間ほどは見えません。
目が真っ黒なふくろうもまばたきの瞬間、眼球が回転して白目が見えます。

白目と偽斜視

ヒトでは黒目の内側と外側にみえる白目の面積は概ね同じです。
しかし3歳以下の乳幼児では、内側の白目があまり見えないことがあり、内斜視と間違われます(偽斜視)。https://meisha.info/archives/473
図では角膜に映るフラッシュの白点が両目とも黒目の中央にあり、視線は両目ともカメラに向いているので内斜視ではなく正位です。
内斜視かどうかは正確には遮閉試験で判断します。https://meisha.info/archives/478