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IgG4関連眼疾患 IgG4-ROD の病変部位

IgG4関連眼疾患とIgG4関連疾患

IgG4関連疾患 IgG4-related ophthalmic disease: IgG4-ROD表に示す全身の臓器に慢性炎症を生じるIgG4関連疾患 IgG4-related disease: IgG4-RD眼付属器病変です。
高比良雅之: IgG4関連疾患. 眼科 61:1151-7.2019

病理組織学的には病変部への炎症細胞浸潤、異所性胚中心、線維化などの変化が明らかになってきていますが、病態に関しては不明な点が多く残っています。
各臓器において無症候のこともありますが、不可逆的な機能障害をきたすこともあります。
山本元久, 田中廣壽: IgG4関連疾患の診療と免疫学的病態: 臨床と研究の接点. 神経眼科 37:181-7.2020

眼部病変

IgG4-RODでは涙腺炎が有名ですが、涙腺以外にも病変がみられます。
本邦の9施設の多施設共同研究にて378症例のIgG4-RODを解析した結果、病変の部位別内訳は表のごとくです。

Goto H et al.: Clinical features and symptoms of IgG4-related ophthalmic disease: a multicenter study. Jpn J Ophthalmol 65:651-6.2021

IgG4-RODの画像所見

眼窩内の各病変は3方向 MRI 画像のいずれかで捉えることができます。
三叉神経第2枝の上顎神経の枝である眼窩下神経の腫大図右端)はIONE: infraorbital nerve enlargementと呼ばれ、IgG4-RODに特徴的です。https://meisha.info/archives/2391

視神経周囲病変ではIgG4 関連視神経症https://meisha.info/archives/4246を生じる危険性があり、IgG4-RODの中では視機能を障害する最大の原因になります。