［目やに］

［目やに］は医学的には眼脂（がんし）です。
目糞（めくそ）や目垢（めあか）は俗語です。
目頭（内眼角）や目尻（外眼角）の瞼裂（上まぶたと下まぶたの間の隙間）に固形物あるいは粘性物として貯留して目の不快感の原因になります。
［目やに］の症状で眼科外来を受診する患者さんは少なくありません。

眼感染症の目やにと生理的な目やに

大量の［目やに］はウィルス感染による流行性角結膜炎 EKC https://meisha.info/archives/2417の特徴です。
淋菌や肺炎球菌などによる細菌性結膜炎https://meisha.info/archives/2498やクラミジア感染の結膜炎でも多量の［目やに］がみられます。
しかし正常な目でも結膜の杯（ハイまたはサカズキ）細胞 goblet cellからムチンが、眼瞼のマイボーム腺からは油脂が分泌されて、老廃物である剥離した角結膜の上皮細胞がこれにからまって［目やに］となります。https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=74

［目やに］に対する抗菌点眼薬

抗菌点眼薬は細菌性結膜炎の治療薬ですが、生理的な［目やに］に対しても処方されることがあります。
無害な結膜嚢の常在細菌にも効くので目やには減りますが、そのバランスを乱し耐性菌を作る負の側面もあります。

起床時だけの［目やに］

抗菌薬点眼が必要な病的［目やに］は終日続き、充血など異常所見がみられます。
そうではなく［目やに］が起床時のみの場合は、生理的な［目やに］であることをブログ筆者は以下のように説明することにしています。

終日続く［目やに］の場合は感染性の結膜炎など病的な場合があるので細菌培養をとって抗菌点眼薬を処方して1週後の受診としています。