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パーキンソン病の白内障手術

白内障手術は入院施設のない眼科診療所でも広く行われています。
そのような中、大学病院の眼科に手術目的で紹介される白内障患者さんの紹介理由は、概ね表に示す4項目のうちのいずれかです。

1. には小瞳孔、浅前房、脆弱チン小帯、高い核硬度、成熟白内障https://meisha.info/archives/4643過熟白内障https://meisha.info/archives/4652などが含まれます。
2. は高齢者で診療所での日帰り手術ではなく入院での手術を希望するケースです。
3. は心不全やコントロール不良の高血圧など、局所麻酔であっても循環器科や麻酔科の管理が必要な場合です。
4. は局所麻酔での手術の恐怖が強いケースや意思疎通が困難な認知症などです。
さらに4. には局所麻酔手術中の体位の維持が困難なケースや不随意運動で顔面の静止が得られないケースが含まれます。
しかしそのような判断には外来でシミュレーションを行ってみることが勧められます。

症例:77/M

両眼のぼやけを訴えてB眼科を受診したAさんは、両眼の白内障と診断されました。
しかしパーキンソン病と腰痛のため仰臥位での局麻手術が困難と判断されて、大学病院での全身麻酔手術を勧められました。

大学病院での経過

初診時、矯正視力は0.4/0.5で半年後の全身麻酔下PEA/IOL手術https://meisha.info/archives/793を予定されました。
しかし新型コロナ感染後の肺炎などで予定の手術は延期となり、その半年後、体力は回復しましたが、白内障の進行で視力は0.04/0.03と低下、できるだけ早い手術を希望されました。
局麻手術なら全麻よりは早い時期の手術が可能なので、本当に全麻が必要か再度検討しました。
外来手術室のベッド上で手術のシミュレーションを行うと、腰痛はあっても仰臥位は可能で、また座位での首の揺れは仰臥位では消失しました。
局麻手術が可能と判断して4カ月後に局所麻酔にて左右順番にPEA/IOL手術を行ったところ、トラブルなく、術後は下記視力でとても満足されて退院されました。
RV = (1.2 x -2.0D cyl -1.25D A90)
LV = (1.2 x -1.0D cyl -1.75D A60)
(Y大学病院眼科での白内障手術待ち期間は10カ月ほどでしたが、両眼高度低視力のAさんの場合は社会的緊急性を考慮して4カ月となりました。)