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過熟白内障とモルガーニ白内障

いずれも真っ白な成熟白内障mature cataract過熟白内障hypermature cataractは混同されやすい病態です。

成熟白内障と過熟白内障

成熟白内障は完全な混濁によって水晶体の透明部分がすべて失われ、細隙灯顕微鏡によって水晶体の断面が観察できない状態です。https://meisha.info/archives/4643
一方さらに進行した過熟白内障では、液化した水晶体皮質の水分が吸収された結果、水晶体ボリュームが減少して水晶体嚢に皺(シワ)がみられます。
水分の喪失によって皮膚の張りがなくなり、シワがふえる老人の皮膚に類似した状態です。

過熟白内障に関する教科書の記載

過熟白内障は各種教科書に下記のように記述されていて、その要点は、皮質の液化吸収、サイズの縮小、前嚢の皺(シワ)形成です。

成熟白内障を放置し、皮質が液化変性し吸収され始め、水晶体前嚢に皺襞が生じた状態。(医学書院、標準眼科学、第14版、2018年)
(成熟白内障が)さらに進行し、水晶体嚢の皺がみられるものをいう。混濁がさらに強くなり、皮質および核の萎縮硬化がみられ、水晶体自体は縮小・扁平となる。(その結果)前房は正常時より深くなる。(金原出版、現代の眼科学、第13版、2018年)
(成熟白内障から)さらに自内障が進行すると、今度は逆に水分が水晶体外に出て、水晶体の容積が減少し、水晶体嚢に皺を形成したりする。この状態を過熟白内障という。(メディカル葵出版、眼科学、2005年)
この時期(成熟白内障)を過ぎれば 過熟白内障 cataracta hypermaturaとなり水晶体は縮小し前房はかえって深くなる。(金原出版、小眼科学 改訂18版、1979年)
Reabsorption of the milky cortex causes a reduction in the lens volume, causing the capsule to form folds (hypermature cataract).  (Yanoff M, Duker JS: Ophthalmology: p10.1, Mosby. 1999)
Hypermature cataract, in which the lens is shrunken and yellowish with capsular folds. (Rosen ES: Intraocular lens implantation: p32, C.V.Mosby. 1984)

モルガーニ白内障

過熟白内障の特殊型として液化した皮質の中で褐色の水晶体核が下方に沈むモルガーニ白内障 Morganian cataract があります。

教科書では以下のように記載されています。

過熟自内障のまま放置すると皮質は液化し、核が下方に沈んだり(モルガーニ白内障)、膜状になる。(金原出版、現代の眼科学、第13版、2018年)
過熟白内障から皮質が液化すると、褐色の核が水晶体嚢内で下方に沈下する。これをMorgagni白内障と呼ぶ(文光堂、眼科学、第3版、2020年)
ついには皮質部分が完全に液化し、核が下方に沈むことがあり、これをモルガーニ自内障という。(メディカル葵出版、眼科学、2005年)