下図中央のOCT像とその右の模式図に示すように、網膜は3層構造になっています。
その最下層(入射する光路の一番奥)に位置する視細胞には機能の異なる錐体と杆体の2種類があります。
錐体は昼間の明るい環境で働き(下図右端)、杆体は夜間の暗い環境で働きます(下図左端)。

錐体は含まれる視色素(錐体視物質)の最大吸収波長の違いによってさらに3種類(S錐体、M錐体、L錐体)に分類されます。https://meisha.info/archives/1463
そのおかげで錐体が働く明所では色の見分けができますが、杆体に含まれる視色素(ロドプシン)は単一のため暗所では色の区別はできません。
錐体は中心窩に高密度に存在する一方、杆体は中心窩以外の眼底全体に広く分布します。

視細胞が徐々に死滅脱落する遺伝性網膜疾患 inherited retinal diseases: IRDのうち、錐体ジストロフィ Cone dystrophy: CDあるいは錐体杆体ジストロフィ Cone-rod dystrophy: CRDでは錐体が優勢に障害されます。https://meisha.info/archives/4772
錐体は黄斑部に密集するため中心視野が障害(下図左半)され、中心窩の機能である視力の低下と後天性色覚異常を生じます。

一方、網膜色素変性 retinitis pigmentosa: RPはhttps://meisha.info/archives/726杆体錐体ジストロフィとも呼ばれ杆体の障害が先行し、典型例では末期まで中心窩の錐体が保たれます。
そのため周辺視野が失われても中心視野は残り(求心性視野狭窄)、視力も通常末期まで良好です(上図右半)。