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IRF/SRF/PEDとSHRM

滲出型加齢黄斑変性nAMD: neovascular age-related macular degenerationの診療において、かつては蛍光眼底造影検査 FA/IAが必須と考えられましたが、最近ではOCTとOCTAによる診療が普及してきています。

nAMD眼の黄斑部OCT所見

nAMD眼の黄斑部OCT所見として表の4つが重要です。

IRFとSRFは漿液貯留による低反射像で、視細胞内外節を示すEZ: ellipsoid zoneの上か下かで区別されます。
PEDはRPE: retinal pigment epitheliumのラインとブルッフ膜の間の病変で、漿液性PEDでは低反射ですが、出血性PEDやdrusenoid PEDでは比較的高反射です。https://meisha.info/archives/1219
SHRMは外層網膜とRPEの間の高反射物で、滲出液、フィブリン、新生血管、血腫、線維性瘢痕などを含み、OCT像だけでこれらの違いを鑑別するのは困難です。
Willoughby AS et al.: Subretinal Hyperreflective Material in the Comparison of Age-Related Macular Degeneration Treatments Trials. Ophthalmology 122:1846-53 e5.2015
原千佳子: 加齢黄斑変性とsubretinal hyperreflective material(SHRM). あたらしい眼科 33:1741-2.2016

IRF、SRF、PED、SHRMの鑑別

OCT画像でIRF、SRF、PED、SHRMを区別するにはまずEZラインとRPEラインhttps://meisha.info/archives/735を確認することが重要です。
図はPCV眼のOCT像とカラー眼底写真で、左では網膜下血腫、右では漿液性網膜剥離を生じています。
それぞれ最下段のOCT画像EZを黄点線、RPEを赤点線で示しました。

EZライン、RPEラインに対する位置と低反射/高反射の違いでIRF、SRF、PED、SHRMは区別できます。