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中心視野障害型 NTG と 10-2 視野

緑内障の定義にもある[視野の特徴的変化]https://meisha.info/archives/4800を捉えるには通常ハンフリー視野計の中心24-2(または30-2)プログラムを検査します。https://meisha.info/archives/874
しかし変化が10度以内の中心視野に限局する場合は10-2視野が有用です。https://meisha.info/archives/4793

症例:58歳男性、原因不明の片眼性視力不良

Kさんは1年前から、左眼の耳側視野がぼやけると感じていました。
近医眼科で左眼の視力不良と両眼の視神経乳頭陥凹拡大を指摘されました。
しかしハンフリー24-2視野で異常がなかったため、原因不明の視力不良として大学病院眼科を紹介されました。

大学病院初診時

RV = 0.06 (1.0 X-5.0D  cyl -1.5D Ax 100)
LV = 0.04 (0.4 X-4.5D  cyl -1.5D Ax 90)
眼圧:14/14mmHg
眼底検査では右視神経乳頭縁から下耳側に延びる神経線維束欠損 NFLD: Nerve fiber layer defect  https://meisha.info/archives/397(図左、白矢印)がみられました。
左眼では視神経乳頭縁から中心窩にかけての乳頭黄斑線維束(Papillomacular bundle)の領域(図右、白矢印)が菲薄化しているようでした。

乳頭黄斑線維束の異常をチェックするためにハンフリー中心10-2視野検査を行ったところhttps://meisha.info/archives/331、左眼で固視点耳側に暗点(図左、赤矢印)が確認され、中心窩閾値Foveal threshold https://meisha.info/archives/545027dBと低下していました(右眼10-2視野では35dB)。
しかし24-2視野では異常は確認できませんでした(図右)

両眼の水平断面のOCT検査では右眼では乳頭黄斑線維束に対応するNFLが正常に観察されましたが(図上段左、黄矢印)、左眼ではこれが欠如していました(図上段右、黄矢印)
またNFL+GCL+IPLの黄斑マップでは、左眼の乳頭黄斑線維束部が明らかに菲薄化していました(図下段右、黒矢印)

以上から両眼の正常眼圧緑内障(NTG: Normal tension glaucoma)https://meisha.info/archives/812で、中心視野障害による左眼視力不良と診断しました。
眼圧の日内変動をチェックした後、眼圧管理治療を開始しました。

アドバイス

視神経乳頭所見から緑内障が疑われるのに24-2視野が正常な場合は10-2視野もチェックしてみるべきです。