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MDスロープでわかる緑内障の進行速度

地図の等高線のようなゴールドマン視野の結果は緑内障の診断には便利です。
しかしアナログ表示のため、視野障害の進行評価には適しません。
https://meisha.info/archives/867
進行性の視野障害を示す緑内障の経過観察にはデジタル表示ハンフリー視野が適しています。

視野感度、トータル偏差、確率プロット

ハンフリー30-2視野の結果は視野感度で表示されます。
これは半径30度以内、76ポイントにおける光覚感度で、ゼロから50までの数値で表示されます。
視野感度は実測閾値と表示されることもありますが、数値は視認される最も暗い光、すなわち閾値の逆数なので適切とは言えません。
濃淡表示のグレイスケールはそのアナログ表示です。
個々の視野感度は同年代の正常者と比較され、その差がトータル偏差(TD)に示されます。
これを統計学的に処理して0.5, 1, 2, 5%の危険率で異常と判定され部位が確率プロットに表示されます。
パターン偏差は白内障など視野全体の感度低下の影響を補正した結果です。

MD値とMDスロープ

MD値(平均偏差Mean deviationの略)は76ポイントのトータル偏差の重み付き平均値で、検査全体の代表値として利用されます。
横軸を年齢、縦軸をMD値としてプロットし、直線回帰したMDスロープを描けば、その傾き(単位はdB/年)は緑内障の進行速度になります。
失明眼ではMD値は-33dB付近の値になるので、図のAのように寿命100歳の時点で-33dBまでにある程度の余裕のあるMDスロープであれば安心できます。
一方Bはこのままでは中途失明のリスクが高いので、さらに眼圧を低下させてこの傾きをなだらかにする必要ありと判定されます。