等高線で表示するゴールドマン視野は緑内障の障害をわかりやすく示してくれます。
しかしアナログ表示のため、視野障害の進行評価には適していません。
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進行評価にはデジタル表示のハンフリー視野が適しています。
ハンフリー30-2視野で測定するのは視野感度です。
これは半径30度以内、76ポイントにおける光覚感度で、ゼロから50までの数値で表示されます。
視野感度は実測閾値と表示されることもありますが、数値は視認される最も暗い光、すなわち閾値の逆数なので適切とは言えません。
濃淡で示されるグレイスケールはそのアナログ表示です。
個々の視野感度は同年代の正常者と比較され、その差がトータル偏差(TD)に示されます。
これを統計学的に処理して0.5, 1, 2, 5%の危険率で異常と判定され部位が確率プロットに表示されます。
パターン偏差は白内障など視野全体の感度低下の影響を補正した結果です。
MD値(平均偏差Mean deviationの略)は76ポイントのトータル偏差の重み付き平均値で、検査全体の代表値として利用されます。
横軸を年齢、縦軸をMD値としてプロットし、直線回帰したMDスロープを描けば、その傾き(単位はdB/年)は緑内障の進行速度になります。
失明眼ではMD値は-33dB付近の値になるので、図のAのように寿命100歳の時点で-33dBまでにある程度の余裕のあるMDスロープであれば安心できます。
一方Bはこのままでは中途失明のリスクが高いので、さらに眼圧を低下させてこの傾きをなだらかにする必要ありと判定されます。