• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

症状の原因診断と正しい治療選択

眼科では命にかかわる病気はまれで、多くは生活の質QOLを高め維持することが主目的になりますが、その点では整形外科も近いように思われます。

腰痛と仙腸関節障害

変形性腰椎症といわれ腰痛に悩まされていた知人は何軒かの整形外科受診の後、ネット検索で評判のよい脊椎クリニックを受診してMRIを撮影したところ、L4/5の部位で脊柱管が狭くなっているとして、その治療のために椎体固定術をすすめられました。
手術に不安を覚えてセカンドオピニオン目的で大学の整形外科にかかったところ、[確かに脊柱管は狭窄しているが坐骨神経痛などの神経症状はないので、手術までの治療はやりすぎでしょう。身体診察での仙腸関節スコアが7点だったので、腰痛の主な原因は仙腸関節障害https://www.sentyo-kansetsu.com/jp/sacroiliacjoint.phpの可能性が高く、まずはエクササイズhttps://www.nhk.or.jp/kenko/atc_980.htmlによるリハビリを行い、場合により仙腸関節ブロックで確認してみましょう。]といわれました。
紹介されたリハビリ専門医院で仙腸関節の適合を矯正する徒手的な手技(関節運動学的アプローチ:AKA:  Arthrokinematic Approach)による保存的治療https://www.aka-japan.gr.jp/index2.htmlを受けたところ、痛みが驚くほど軽快したとのことです。

近用メガネで解決する高齢者の[見えにくさ]

眼科でも似た話があります。
最近見えにくいと感じ始めて眼科診療所を受診した高齢者が白内障手術をすすめられましたが、入院での手術を希望したので、大学病院眼科を紹介されました。
診察すると白内障の濁りはそれほどではないので、[何が見えにくくて困るのか?]尋ねました。https://meisha.info/archives/3064
すると[新聞の文字が読みづらく、息子や嫁の老眼鏡をためしたがどれもよく見えない。]とのことです。https://meisha.info/archives/3069
そこで+4.0Dのできあい近用めがねhttps://meisha.info/archives/164をかけてもらうと薬剤の解説本の細かい文字まで読むことができて[これならよく見えるので、手術はキャンセルします。]とのこと。
この症例に限らず老視の眼鏡矯正不良に気づかれず白内障手術を受けている患者さんが多いのではないかと思われます。https://meisha.info/archives/4160