眼科を受診する患者さんの訴えの多くは見えにくさです。
ただしどのように見えにくいのかは患者さんによってさまざまです。
見えにくさに関係して眼科医が使用する主訴には表のようなものがあります。
見えにくいのが両目ということもありますが、多くの場合左右どちらかの目です。
まずは見えにくいのが左右どちらの目なのか、片目を隠して確認しましょう。
まず自分の手で左目を隠して壁の時計や鏡に映る自分の顔を右目で見ます。
今度は右目を隠して左目で見て、右目での見え方と比べると、どちらの目がおかしいのかわかります。https://meisha.info/archives/1444
眼科医の側でも患者さんの左右の目を交互に隠して、向かい合う自分の顔の見え方を尋ねるようにしましょう。
このようにして例えば右目が見えにくいとわかった場合、鏡に映る自分の顔や向かい合う眼科医の[顔全体が見えにくいのか?]、あるいは[顔の一部が見えにくいのか?]を確認します。
背景も含めて顔全体が見えにくいのであれば霧視(白内障など)やぼやけ(遠視や老視など)です。
一方、顔の中心の鼻やどちらかの目のあたりだけが見えにくいのであれば、上の表の中心暗点や傍中心暗点で、視神経の病気や加齢黄斑変性など網膜の病気の可能性が高いです。https://meisha.info/archives/331
仮に右目の霧視やぼやけだった場合、その見えにくさがTV画面なのか、スマホ画面なのかを調べます。
TV画面だと近視、スマホだと老視、両者だと白内障などが考えられます。
白内障の手術目的で紹介されてくる患者さんの中には、見えにくさの主因が実は白内障ではなく老視だったというケースが紛れています。https://meisha.info/archives/48
そのような場合、患者さんは[スマホは見えにくいがTVはよく見える]と言います。