[見えにくい]と訴える患者さんhttps://meisha.info/archives/3064には[何が見えにくいのか?]を訪ねます。
[文字が見えにくい]原因の多くは[ぼやけ]で、屈折異常(近視、遠視、乱視)のこともありますが、高齢者の場合は調節異常であるの老視です。https://meisha.info/archives/314
新聞やスマホの文字が見えにくいと言います。
[文字の見えにくさ]の原因が老視の場合、メガネをどのように使っているかを患者さんに確認します。
老眼鏡を持っているか?メガネを常用しているか?そのメガネが遠近両用か?などによって対応が異なるからです。
さらに正視(または視遠)と近視(または近視性乱視)では指導が異なります。
正視や視遠のヒトは高齢で老視になるまで、メガネを使用したことがありません。
老眼鏡という便利な道具を使えば手元がくっきり見えることを知らないヒトは意外に多いようです。
そのようなヒトの多くは老視以外の目の病気、たとえば白内障ではないかと心配して眼科を受診します。https://meisha.info/archives/48
老視の説明よりもまずは老眼鏡の効果を実感してもらうのがよいでしょう。
私は100円均一ショップで購入できる+1.0から+5.0までの出来合い老眼鏡のセットを準備しておいて、これを試し掛けして書類の文字を読んでもらいます。https://meisha.info/archives/164
散瞳した後でも大丈夫です(散瞳で焦点深度が浅くなってもピントさえ合えば細かい文字でも読めます)。
[こんなに良く見えるのだ]と感動される患者さんが多いです。
[1万円もしたルーペメガネではよく見えなかったのに、100円のメガネでこんなに良く見えるのか!]と驚かれることも少なくありません。
ともに凸レンズメガネですが、目から離れた位置で掛けるルーペメガネは拡大鏡であって、ピント調節をする老眼鏡とは異なります。
軽い近視の目であれば、ルーペメガネだけで細かい字がよく見えますが、正視あるいは遠視の目では老眼鏡を掛けたその上からルーペメガネを重ね掛けする必要があります。https://meisha.info/archives/97
正視や遠視と異なり近視あるいは近視性乱視のヒトは若い頃からメガネを常用していて、手元を見る際もメガネをはずしません。
しかし老視で調節力が低下すると、遠くにピントの合っているメガネをかけたままでは、手元のスマホの文字がぼやけます。
しかし多くの軽度近視の目は裸眼で30cm-1mの距離にピントが合っているので、メガネをはずすだけでスマートフォンの文字が読めるようになります。
多くの中高年の近視のヒトはそのことに気づいていますが、眼科で説明されてはじめて裸眼のほうが見やすいことに気づくケースもよくあります。