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高眼圧症と正常眼圧緑内障

視神経乳頭は眼圧の上昇による障害を、眼球内で最も受けやすい部位です。
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しかし20を超える高眼圧が持続しても視神経乳頭の陥凹拡大や視野障害がみられない場合があります。
高眼圧症と呼ばれ、眼圧は高くても緑内障を発症していない目を指します。
一方で眼圧は20以下で正常者と変わらないのに、視神経乳頭陥凹拡大がみられ対応する視野が障害される目があり、正常眼圧緑内障(NTG)と呼ばれます。

緑内障発症の攻撃因子と防御因子

緑内障の発症は眼圧と視神経乳頭の強さのバランスで決まります。
すなわち、高眼圧症では攻撃因子である眼圧よりも防御因子である視神経乳頭の圧抵抗性が勝るために緑内障を発症しません。
逆に正常眼圧緑内障では、視神経の防御因子が脆弱なため攻撃因子の眼圧がそれほど上昇していなくても緑内障を発生すると考えられます。

緑内障に関係する遺伝子

緑内障は糖尿病や高血圧と同じく、多くの遺伝因子環境因子の影響を受ける多因子疾患です。
緑内障に関わる遺伝子は多数発見されていますが、それらは視神経の脆弱性に関わる因子と眼圧上昇にかかわる因子に大別されます。
前者は緑内障(正確には正常眼圧緑内障も含まれる原発開放隅角緑内障: POAG)の発症に関係し、後者はその進行速度に関係することが報告されました。

Mabuchi F et al.: Genetic variants associated with the onset and progression of Primary Open-Angle Glaucoma. Am J Ophthalmol 215:135-40.2020

正常眼圧緑内障の治療はさらなる眼圧下降

緑内障ガイドラインでは図のように緑内障が定義されています。

日本緑内障学会: 緑内障診療ガイドライン(第4版). 日本眼科学会雑誌 122:5-53.2018

正常眼圧緑内障でも、目薬または手術によって眼圧を30%以上低下すると、コントロールに比べて有意に視野障害の進行が遅れると報告されています。
CNTG study group: The effectiveness of intraocular pressure reduction in the treatment of normal-tension glaucoma. Am J Ophthalmol 126:498-505.1998