• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

ドライアイの涙目症状

渇き目と涙目の同居

渇き目、すなわちドライアイは涙液層の不安定性が原因で生じる目の不快感でhttps://meisha.info/archives/1172、その第一選択の治療は涙を補充する点眼薬です。
一方、涙目の代表の鼻涙管閉塞https://meisha.info/archives/2614では室内で静かにしていても、常時涙が溢れて頬の皮膚にこぼれ落ちます。https://meisha.info/archives/3037
しかし涙が皮膚にこぼれるほどではなくても、[まぶたの間に涙がたまっていて不快だ]と訴えるドライアイ患者さんは少なくありません。
実際、ドライアイ患者さんに[目は乾きますか?]と尋ねると[乾くよりもむしろ涙っぽくて困る]という返事がかえってくることがあります。
そのようなケースで[涙っぽいという涙余剰の状態なのに、その涙をさらに増やす人口涙液やヒアルロン酸点眼は矛盾する]と考える向きもありますが、これは必ずしも正しくありません。

ドライアイの角膜上皮障害による反射性流涙とヒアルロン酸

種々のドライアイ原因のうち、涙液蒸発亢進水濡れ不安定性、あるいは上まぶたと角膜の間の摩擦亢進などによってSPK(点状表層角膜症)https://meisha.info/archives/608のような角膜上皮障害を生じます。
その刺激で一時的に涙液分泌が過剰になる反射性流涙を生じると、涙目の症状を訴えることがあります。https://meisha.info/archives/2605
そのような場合、上皮細胞修復作用のあるヒアルロン酸などの点眼治療でドライアイによるSPKが改善すれば、反射性流涙がなくなり涙目症状が改善します。

結膜弛緩症が原因のドライアイ

また結膜弛緩症では涙液メニスカスの形成が障害されてドライアイの渇き目症状を生じることがありますが、同時に下涙点への涙液の流路の遮断による流涙を生じます。https://meisha.info/archives/2583