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翼状片

翼状片は鳥の翼に似た形の血管に富む病変で、多くは鼻側の結膜から角膜中心に向かって進行します。
眼の充血異物感の原因になり、外見的にも問題です。
さらに先端が角膜中央に接近すると視力が障害されます。
点眼薬は無効で治療は手術による切除ですが、術後に再発しやすいことが問題です。

紫外線との関係

世界的には高緯度地域よりも赤道に近い低緯度地域に多く、日本でも北海道よりも九州、沖縄で多くみられます。
また漁師やゴルフ場のキャディーのような屋外労働者に多くみられることから、紫外線照射がこの病気の発症と進行に密接に関わっていると考えられています。

鼻側の理由

鼻側と耳側の結膜はまぶしくて目を細めた状態でもまぶたの間から露出して紫外線の暴露を受けます。
ただし翼状片が耳側にみられることはまれで、90%以上は鼻側の輪部結膜に生じます。
Shiroma H et al.: Prevalence and risk factors of pterygium in a southwestern island of Japan: the Kumejima Study. Am J Ophthalmol 148: 766-771 e761, 2009.

鼻側と耳側の違いは正面からの太陽光の照射の違いではなく、前額面での水平方向から刺入して角膜を通過する光の当たり方の違いです。
上下方向からの太陽光はまぶたでブロックされ、鼻側からは鼻に遮られます。
一方、耳側からの光は遮られることがありません。

耳側から入射する光は角膜の凸レンズ作用で、鼻側の輪部結膜付近に集光します。
実際に暗室で右眼の耳側から光を当てると(黒矢印)、鼻側の輪部結膜付近の強膜(点線矢印)が明るく光ります。
これが翼状片が鼻側に生じやすい理由と考えられます。
Maloof AJ et al: Influence of corneal shape on limbal light focusing. Invest Ophthalmol Vis Sci 35: 2592-2598, 1994.