人間ドックや健診で撮影される眼底写真が[黄斑変性]と判定されることがありますが、黄斑変性とは何でしょうか?
視神経乳頭の外側には直径6mmの黄斑があります。https://www.nanbyou.or.jp/entry/2434
若い目では黄斑の中央に輪状反射が観察でき、その中心が中心窩です。
中心窩を示す明瞭な目印はありませんが、図の黒丸で示す黄斑の血管は中心窩に集まるように走行します。
多くの眼科医は眼底写真に映る黄斑に何らかの変化があれば黄斑変性という所見名をつけます。
所見というのは医師が見つけた変化のことで病名ではありません。
内科の先生が言う貧血や浮腫、筋委縮などは所見ですが、たとえば貧血は消化管出血をきたす大腸癌や白血病、溶血性貧血などさまざまな病気でみられます。
同様に黄斑変性という所見も、さまざまな眼底の病気でみられます。
眼底写真の判定に[黄斑変性]と記載された場合、
1. 精査や治療が必要な病気の場合と、
2. 正常とは言えないが、それ以上の検査や治療を必要としないもの
の2つが含まれます。
前者には加齢黄斑変性、近視性黄斑症、黄斑ジストロフィなどが含まれ、後者にはドルーゼ、色素沈着などが含まれますが、その区別は眼底写真だけでは無理で、眼科専門医による診察が必要になります。