進行性に視野が狭窄し矯正視力も不良となることのある網膜色素変性https://meisha.info/archives/726の患者さんからは、以下の申請のための診断書を依頼されることがあります。
1. 身体障害者手帳
2. 障害年金
3. 指定難病
視野や視力にそれなりの障害があれば、身体障害者(身障者)手帳の交付を受けて、医療費や税の軽減、運賃の割引、白杖など視覚支援補装具の支給、および障害者雇用などについての支援を受けることができますが、視覚障害の身障者手帳の申請には指定医の診断書が必要です。
病気やけがによる障害者は、国民年金法及び厚生年金保険法等に基づいて障害基礎年金の場合、年額で70-100万円程度の障害年金を受け取ることができます。https://www.syougainenkin-shien.com/amount_of_money2020
その認定には身障者手帳、視覚障害と同様の視力あるいは視野障害の診断書が必要です。
難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)は原因が不明で治療法が確立されていない病気の患者さんの医療費を助成する法律です。
対象となる指定難病は2022年3月現在、338疾患で、眼科医が主に担当するのは網膜色素変性と黄斑ジストロフィです。
難病指定医の診断書をつけて認定されれば、患者さんは医療保険の窓口自己負担額が軽減され、診療者側も月1回2700円の難病外来指導管理料を請求できます。
身体障害者手帳の視覚障害の認定基準は2018年に大きく改訂されました。
主な改正点は以下の2点です。https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000205739.pdf
1. 視力障害:それまでは左右の目の矯正視力の数値を単純に足し合わせた値で規定されていましたが、改正後は視力のより良好な側の目の視力値を主体に評価されるようになりました。
2. 視野障害:それまではゴールドマン視野計での8方向の視野角度で評価されてきました。
改正後は、ハンフリー視野賢などの自動視野計での評価(両眼開放エスターマンテストと10-2プログラム)も可能になりました。