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フックス虹彩異色性毛様体炎

Fuchs’ heterochromic cyclitis (FHC)(日本語ではフックス虹彩異色性(虹彩)毛様体炎)は慢性の虹彩毛様体炎を起こす原因のひとつです。
白色で不整形の角膜裏面沈着物(KPs)がみられて前房内炎症は遷延しますが、充血や眼痛はみられず、ステロイド点眼に対する反応が不良です。
白内障や緑内障、あるいは硝子体混濁を合併すると手術などの治療介入が必要になります。
診断の最大のポイントは虹彩表面の紋理の左右差です。
虹彩異色という名前がついていますが、褐色虹彩の日本人では左右の虹彩の色調の差はありません。
しかし虹彩表面の光沢に注意すると左右差は明らかで、正常な他眼に比べて、患眼の虹彩はネルの生地のような毛羽だった感じです。

最近、本症の前房水中で風疹ウィルスのIgGが産生されていることが報告され、風疹ウィルス感染の関与が疑われています。

文献

  • Quentin CD et al (2004). Fuchs heterochromic cyclitis: rubella virus antibodies and genome in aqueous humor. Am J Ophthalmol 138(1): 46-54.
  • Suzuki J et al (2010). Rubella virus as a possible etiological agent of Fuchs heterochromic iridocyclitis. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(10): 1487-1491.