• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

緑内障の検査目的

眼科の外来に通院する緑内障患者さんは、毎回いくつかの眼科検査を受けます。
外来での緑内障の検査は大きく4つに分類できます。

1. 眼底検査とOCT検査:緑内障の診断

この2つの検査は緑内障の診断に必要です。
第4版の緑内障ガイドラインでは[緑内障は,視神経視野に特徴的変化を有し,通常,眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である.]と記載されています。
日本緑内障学会 (2018). “緑内障診療ガイドライン(第4版).” 日本眼科学会雑誌 122(1): 5-53.
視神経網膜神経節細胞の軸索である神経線維が集まったもので、その眼球からの出口にあたる視神経乳頭が特徴的な陥凹拡大を示すことが緑内障の特徴です(下図左)。
この緑内障性視神経乳頭陥凹拡大は周囲から集まる神経線維の数が少なくなった結果です。
そこでOCT検査では乳頭周囲の神経線維層の厚みを調べ、緑内障を定量的に診断します(下図右)。

2. 視野検査:進行程度の評価

ガイドラインに[視神経視野に特徴的変化を有し」とあるように視野検査は緑内障の診断に必要です。
さらに診断がついたあとの緑内障の進行程度右図ハンフリー視野検査のような自動視野計で評価します。
光がみえたらボタンを押す検査です。
緑内障では末期になるまで視力は低下しませんが、白内障や角膜の障害で視力が低下することもあるので視力検査も行われます。
もちろん視野障害が中心に及ぶようになると緑内障自体でも視力が低下します。

3. 眼圧検査:点眼治療効果の評価

正常眼圧緑内障というタイプの緑内障もあり、眼圧の異常は緑内障の診断に必ずしも必要ではありません。
しかし治療開始前の眼圧よりも低い目標眼圧を維持することで緑内障の進行を抑えることができることは証明されているので、受診の際には毎回眼圧を測定します。
CNTGS Group (1998). “The effectiveness of intraocular pressure reduction in the treatment of normal-tension glaucoma.” Am J Ophthalmol 126(4): 498-505.

4. 細隙灯顕微鏡検査と隅角検査

緑内障の治療方針はその病型によって異なります。
原発続発か、また開放隅角閉塞隅角かによって分かれる病型は隅角鏡右図)による観察で診断します。
下図は隅角鏡による開放隅角の写真です。
また、細隙灯顕微鏡では白内障の進行や続発緑内障の原因となる炎症の有無をチェックします。
さらに緑内障点眼薬の副作用としてみられる角膜上皮障害虹彩の色素沈着などもチェックしています。