• 眼科通院中の患者さんや眼科医向けの役立ち情報

まぶたのけいれん

眼瞼ミオキミア

[まぶたがピクピクするのですが眼瞼けいれんでしょうか?]と訴える患者さんを診察することがあります。
詳しく尋ねると、左右どちらかの、主に下まぶたの皮膚が細かく波うつように震える動きが数秒から1-2分続くと言います。
これは眼瞼ミオキミアと呼ばれ、まぶたを閉じる眼輪筋の一部の筋線維が一時的に勝手に活動する現象です。
ストレスや睡眠不足で起こることが多く通常自然におさまります。
まぶたは開いていて物を見る機能への支障はありません。

眼瞼けいれん

これに対して[眼瞼けいれん]は眼輪筋の過度の収縮によって目が開けられないために、歩行中に物にぶつかってけがをするなど実害を伴います。
またまぶたを開けるという運動機能の障害だけでなく、まぶしさ(羞明)や目の痛みなど感覚の異常も伴う病気です。

眼瞼けいれん診療ガイドライン. 日眼会誌 115:617-28.2011
山上明子: 眼瞼痙攣とは. 眼科 62:103-106.2020
若倉雅登:診療眼科医が教えるその目の不調は脳が原因. 2019, 集英社 73-85

目が開けられないのは、脳の働きによるまばたき(瞬目)のコントロールがうまくできないことが原因でジストニアと呼ばれる神経学的異常とされています。

https://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/506.html

眼瞼けいれんの検査:瞬目テスト

まばたきの際、まぶたを閉じる閉瞼とまぶたを開く開瞼の2つの動作が瞬時に連続します。
閉瞼は顔面神経眼輪筋の働き、開瞼は動眼神経眼瞼挙筋の働きで、2つの動きの連携は瞬目テストで検査します。
眼瞼けいれんの患者さんでは、歯切れのよいまばたき(軽瞬)、10秒間に30回の素早いまばたき(速瞬)、強く目を閉じた後すばやく目を開ける(強瞬)などの瞬目がうまくできません。

治療は神経と筋肉の連絡を一時的に遮断するボトックスという薬剤のまぶたへの注射です。

片側顔面けいれん

眼瞼けいれんの症状と頬のこわばりや口角のひきつれの症状が左右どちらか片側だけ(左が多い)に起こる場合があり、片側顔面けいれんと呼ばれます。
顔面神経が脳幹から出る出口部分が、血管に圧迫されて興奮状態になる神経血管圧迫Neurovascular compressionが原因です。
CISS法やFIESTA法などのMRIの脳槽撮影で診断できます。
手術治療法として神経血管減圧術(ジャネッタの手術)がありますが、一時的にはボトックス注射も効果があります。