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白内障手術の決め方

白内障はあるかないかではなく、濁りの程度と部位が問題であることを前回説明しました。
https://meisha.info/archives/990
しかし白内障の濁りの程度を正しく評価することはベテランの眼科医であっても容易ではありません。

白内障の見た目と視力

白内障以外には異常のない目の細隙灯顕微鏡写真を写真に示します。
矯正視力がいくらかわかるでしょうか?

正解は左から 0.1, 0.4, 0.5, 0.9です。
左端は写真ではわかりにくい後嚢下白内障のため視力不良です。
右端の目は前部皮質がかなり濁っているように見えますが、濁りの隙間から見ているようで意外に視力は良好でした。
見た目の濁りを数値化するのは困難ですし、濁りの濃さだけでなく濁りの種類によっても視力に与える影響は異なります。

白内障手術の決め方

そこで視力検査の結果を聞かずに、細隙灯顕微鏡検査だけで白内障手術を眼科医が勧めることは通常ありません。
まずメガネによる矯正視力がどの程度低下しているか確認します。
その上で、細隙灯顕微鏡で観察した白内障の程度に見合う視力低下かどうか判断します。
さらに角膜や網膜など他の眼球の部位に視力を低下させる病気がないかどうかも確認します。
最後に患者さんの年齢や仕事なども考慮して、白内障手術を受けるメリットを評価します。
その評価を聞いた患者さん自身が、家族とも相談して最終的に手術を受けるかどうか決めることになります。