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先天赤緑色覚異常の検査

先天色覚異常のほとんどは先天赤緑色覚異常です。
光の波長によって緑-黄緑-黄-橙-赤と変化する色相は、異常者には似通って見えるため仮性同色(混同色)と呼ばれます。
仮性同色を利用して異常者を検出する検査は仮性同色表と呼ばれ、その代表が石原表です。

石原表

石原表、国際版34表のうち、第2 – 第9表では正常者と異常者で異なる読み方をします。
また第18 – 第21表は正常者には読めませんが異常者には読めます
これらの表で図の右に示す異常者特有の読み方をした場合には、先天赤緑色覚異常の可能性が高まります。

しかし石原表による検査はあくまでスクリーニング検査で、1型、2型、あるいは3色覚、2色覚などの色覚異常の診断https://meisha.info/archives/1463はできません。

症例:14歳男児

S君は幼小児期から色を覚えるのが苦手で、眼科診療所にて先天赤緑色覚異常でしょうといわれましたが、正確な診断名を知りたいとのことで大学病院を紹介されました。
視力は両眼とも1.2(矯正不能)です。
石原表パネルD-15テストでは2型のパターンでしたが診断を確定するためにアノマロスコープの検査を行いました。

アノマロスコープ

アノマロスコープの筒を覗き込むと上下2つの半円が見えます。
検者が混色ねじをひねると上の半円は0(緑)から73(赤)まで連続的に色が変化します。
単色ねじを回すと下の半円の黄色は0から87まで明るさが変化します。
混色ねじ40付近の緑/赤混色による黄色と単色ねじ15付近の明るさの黄色は、色覚正常者では同じ色に見えるので、これを正常等色(均等)と呼びます。
それ以外の混色、単色ねじの組み合わせでは同じ色には見えません。
S君に同じ検査を行ったところ、正常者と同じ40/15で等色しました。
しかし混色ねじ0(緑)でも0/15で等色し、混色ねじ73(赤)でも73/15で等色しました。
そこで2型2色覚の先天色覚異常と診断しました。

アノマロスコープでの診断

先天赤緑色覚異常は図https://www.neitz.co.jp/products/inc/ot-%E2%85%B1/のようにアノマロスコープの等色位置と範囲で診断されます。
S君のような2色覚では40/15での正常等色だけでなく、混色ねじの0から73までのすべてで等色します。
ただし1型と2型では等色する混色ねじの値が変わってきます。
一方3色覚の異常では通常、正常等色の位置では等色せず、そこからはずれた範囲で等色します。