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OCTの定量評価

定性評価と定量評価

検査結果の評価には定性評価定量評価があります。
定性評価は異常の有無を判断するもので、アデノチェック前房水病原微生物PCR検査などがその例です。
定量評価は異常があった場合にその程度を評価するもので、視力検査、眼圧検査、血圧測定、血糖検査などが該当します。

OCTの定性評価と定量評価

OCT検査の主な対象は網脈絡膜疾患と緑内障です。
緑内障では視神経乳頭周囲の網膜神経線維の厚みcpRNFLや黄斑部でのGCCやGC/IPLなどを正常データベースと比較する定量評価が主体です。
これに対して網脈絡膜疾患の実臨床では定性評価が一般的で、黄斑円孔、ERM、脈絡膜新生血管CNVの有無などを判断しています。

網膜疾患でのOCT定量評価

一方、たとえば抗VEGF薬硝子体注射による黄斑浮腫治療の臨床研究では、中心窩網膜厚CFTの経時変化のグラフが示されるなど、定量評価が行われます。

日常臨床においても、図の上段のように網膜静脈閉塞症(CRVO、BRVO)における黄斑浮腫中心窩網膜厚CFTで記録すればより詳細な経過の把握につながります。https://meisha.info/archives/561
また図中段のように黄斑円孔円孔底の最大径測定は手術の術前評価に重要です。
さらに図下段のように治療開始後の原田病VKH脈絡膜厚測定は治療効果の評価に有用です。
いずれも図に示すようにOCT付属のキャリパーで、緑の垂直または水平線をひいて記録します。