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接触眼瞼皮膚炎

眼瞼の構造

眼瞼は皮膚側の前葉と結膜側の後葉に分かれます。
前葉の主体は眼輪筋で眼瞼縁には脂腺と汗腺を有する睫毛根が存在します。
後葉の主体は瞼板で内部にマイボーム腺が含まれます。

眼瞼炎の分類

以前のこのブログで角膜病変に関連して、前葉の炎症である前部眼瞼炎と後葉の炎症である後部眼瞼炎を説明しました。https://meisha.info/archives/703
それ以外に眼瞼表面の皮膚を首座とする眼瞼皮膚炎も眼瞼炎に含まれます。
なお眼瞼結膜を首座とする炎症は眼瞼炎ではなく結膜炎に分類されます。
眼瞼皮膚炎には単純ヘルペスウィルス(HSV)眼瞼炎やアトピー性皮膚炎にみられるアトピー性眼瞼炎などもありますが、眼科臨床で多く経験するのは接触眼瞼皮膚炎です。
庄司純: 眼瞼炎を診る. 日本の眼科 92: 143-147, 2021.

接触眼瞼皮膚炎

接触眼瞼皮膚炎の多くはアレルギー性接触皮膚炎のメカニズムによって生じます。
すなわち薄い眼瞼皮膚の角質を通過した分子量1,000以下のアレルゲン(ハプテン)が蛋白と結合し、これを皮膚の樹状細胞が捕獲して所属リンパ節でTリンパ球に抗原提示することで感作が成立します。
その後、同じアレルゲンとの接触によって感作T細胞が中心となり皮膚表皮細胞を障害して湿疹性の組織反応を生じるⅣ型アレルギー反応です。https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/130_523contact_dermatitis2020.pdf

ネオメドロールEE眼軟膏による接触眼瞼皮膚炎

アレルゲンとしては、うるしやハゼなどの植物、化粧品、点眼薬や眼軟膏などが知られています。
稲田紀子: 点眼薬関連アレルギーと接触眼瞼皮膚炎. 日本の眼科 87: 855-858, 2016.

緑内障点眼薬やアミノグリコシド系抗菌薬は接触眼瞼皮膚炎を起こしやすいことで有名です。
まぶたの痒みに対してよく処方されるネオメドロールEE眼軟膏はメチルプレドニゾロンとアミノグリコシドであるフラジオマイシンの配合薬です。
ネオメドロールEE眼軟膏によって、写真に示すような眼瞼皮膚炎が遷延しているケースは少なくありません。