目頭(めがしら)は内眼角、目尻(めじり)は外眼角と呼ばれます。
上下のまぶたの接触眼瞼皮膚炎https://meisha.info/archives/2109が外眼角の皮膚に及ぶこともあります。
しかしまぶたの中央はなんともないのに外眼角の皮膚だけが赤くただれることがあり、外眼角炎あるいは眼角眼瞼炎などと呼ばれます。
原因としてアトピー性皮膚炎など非感染性のものもありますが、感染性ではブドウ球菌やモラクセラ菌が原因とされています。
またその誘因として眼瞼皮膚弛緩症や流涙症によって皮膚が湿潤していることが挙げられています。
小幡博人: 外眼角炎. あたらしい眼科 36: 71-72, 2019.
高齢者によくみられる点眼薬のつけすぎによることも少なくありません。
点眼薬1滴の容量は40-50マイクロリットルです。
それに対して結膜嚢内に保持できる最大容量は30マイクロリットルで、通常は7マイクロリットルの涙が貯留しています。
吉富健志: 点眼薬の眼内移行について。相原一 :編集: 緑内障薬物治療ガイド(専門医のための眼科診療クォリファイ11). 中山書店, 76-81, 2012.
上記の計算から点眼は1滴で十分ですが、点眼がうまくできない高齢者では一度の点眼で何滴もさすことがあります(実際、必要な最小本数の何倍もの点眼薬の処方を希望する患者さんは少なくありません)。
そのような患者さんでは溢れた目薬のために外眼角の皮膚が常に湿っていて、皮膚のバリアー機能が低下して細菌感染が起こりやすいと考えられます。
上手に点眼できれば1滴でよいことと、まぶたの間から皮膚に溢れた点眼薬をティッシュペーパーなどで拭き取ることを患者さんに指導をしています。
図のような皮膚の亀裂を伴う外眼角炎の場合は抗菌眼軟膏を塗布してもらいます。